「何かやっぱ…面白そーだね、湊爽緒の周りって」
口元に手をやり、クスッと笑う芽衣。
「まぁ、な。飽きねーよ。毎日がハプニングみてぇで」
「ふふっ!うける(笑)」
「こっちはうけねんだよ、バカ」
コツンと芽衣の頭を手の甲で小突くと、
「骨いった…骨マジ痛…」
俺の甲の骨が痛かったらしい。
虚弱か。
「いつまでも痛がってねぇで行くぞ」
俺は芽衣の腕を引っ張り、屋上から出た。
屋上から内側に吹く風に、背中を押されているみたいだった。
「あ、湊爽緒。帰ったら、色々話したいことあるんだけど」
「あぁ。聞く聞く」
「…適当に相槌打たないでよね」
ジトッとした視線が向けられている感覚がして、
「至って真面目だ、あほ」
俺もジトッと横目で芽衣を見た。



