「うわっ!!…お前、何泣いて…」
芽衣は目に溢れんばかりの涙を浮かべていた。
「…いや、えっと…え……何でだろ…はは…」
「はは、じゃねっつの……。やっぱ…」
辛いのかよ。
「辛いからとかじゃない。辛いとかじゃなくて………すごく、ほっとして……」
?
「湊爽緒は、こんな良い人達といつも一緒にいるんだなって…」
「は?」
「………とにかく。安心したんだってば。色々と」
少し顔を上げ、口を緩める芽衣に、
「泣くか笑うかどっちかにしろよな」
俺は、眉を下げ少し笑った。
「んじゃ、行くか」
「ん。何処に?」
「普通に教室。お前、教室で待つだろ?」
「え、いや。迷惑になりそうだから…門の前に居るよ」
門!?
…門か、うん…門。



