「飽きたとか、そーいうのじゃなくて。ちゃんと、家に居て。あたし達の、あの家…」
「………。…はいはい」
「うん」
ふふっと優しく笑った芽衣は、清々しい雰囲気を纏っていた。
そのまま俺の肩に、頭を預けてくる。
……っ、
「…大丈夫…か」
「……うん」
「辛く…ねぇ?」
「……。…辛い。けど、良かった…聞けて」
本当に?
本心?
「湊爽緒の優しさも、ちゃんと分かったよ」
「…………」
「ねっ………あ、あに…兄貴…!」
へにゃっと笑った芽衣は、手紙の中にあった、写真で見た衣緒莉さんに何処か似ていた。
「…バーカ。お兄様だろ」
「うげっ…有り得ないっ!!」
嫌そうな顔をした芽衣にデコピンし、俺は…
「…ありがとな」
空に溶けると願い…かすかに口を動かした。



