「やっぱ読めない。これってさ…もし、あたしが湊爽緒より先に見つけたときに…分からないようにする為だったのかな」
…かもな。
父さんは、俺に宛てていたから。
「…遺言は、こんなんじゃなかったもんね」
「あぁ…」
「会社は?どうなってるの?」
「一応、俺が継ぐことになる。まぁ今は…秘書の高山さんが代理をしてくれてる。事実上、俺に社長の権利があるから、と。いちいち会社報告してくるぞ」
「ふーん…そか」
ぶわっと風が吹いて、芽衣の髪が持っていかれるように広がった。
「ねぇ、湊爽緒。ちゃんと…帰ってきなさいよ」
「そうだな。ネットカフェ巡りも飽きてきたとこだったし」



