喧噪のように、芽衣の泣き声が聞こえる。
だから嫌だったんだ。
俺は拳を握り締め、高い空を見上げた。
「おい湊爽緒、お前の悩みの種も、明かしたらどーだ」
俺に近づいてきた学は、小さくそう呟いた。
「いや、言わない。俺の悩みは、もう…いいんだ。もう一度読んだら…大事な最後の一文、読んでないのに気づいたからな」
『愛している』
その言葉が父さんから貰えただけで、俺はもう…
……――愛されてなかったって。
この手紙読んで、俺は母さんに疎まれていた理由が分かって。
父さんとの間に出来た俺を最初は喜んだ。
けど、それは…芽衣の母さんと父さんを別れさせる為の出しだったんだって気づいて。
あぁ、愛されてなかったんだなって……
『生まれてきて、ごめん』
…そう何度も心の中で言って。



