「『…それから私は、お前を男手ひとつで育てた。
お前にも…反抗期があったよな。
…私も苦労し…――』って、ここはいいや。俺のことだし。『…そして私は、お前を育てながら、施設に足を運び、衣緒莉の娘の様子を伺った。
それから何年も経って…私はひとつの決心をすることになる。
病気になったことが分かったからだ。
その瞬間、湊爽緒、お前と…衣緒莉の娘の顔が浮かんだ。
…そして私は、最期を一緒に過ごしたい一心で、結婚という形で…衣緒莉の娘、芽衣を自分の手元に置いた。
これで分かったか?
湊爽緒、お前は、芽衣と異母兄弟なんだ』」
「う、うそ…」
そんな声が、聞こえた。
芽衣、きっと混乱してる。
どうする?
続きも話すか?
俺はやっと芽衣を見た。
芽衣は涙をぼろぼろ流しながら、頷いた。
あぁ、芽衣は強い。
泣いても、崩れてはいない。ちゃんと…立ってる。
俺はまた深く深呼吸をし、それからゆっくりと口を開いた。



