カサカサと手紙を開く音に、心拍数が増す。
あぁ…ダメだ。
耐えられない…
「みっ…湊爽緒っ…」
読みはじめて泣いているのか、鼻声になっている芽衣。
「よ、読めないっ…」
ガクッ
皆の膝が笑った気がした。
「何で読めねーんだよ!!」
「いや、だって…これ、字が繋がってて…」
「あー…草書だからか?」
「お前の義母、すげぇバカだな」
いや、俺も芽衣がここまでバカだとは思ってなかったけど。
すっかり冴えた頭で、俺は泣きべそかいている芽衣から手紙を受け取る。
深く深く、深呼吸をし、俺は一言一句、はっきりした口調で、手紙を読み始めた。



