「じゃあ、俺は今から独り言を言う」
「不審者か」
「…うるせーな。つーか…これ、読めば分かる」
俺は、さっき直したばかりの手紙をポケットから取り出した。
「…………読んでいいのか」
意外な学の言葉に、俺は驚きつつ、頷いた。
互いの呼吸と、手紙のカサカサと言う音。
風が自分の髪を撫でる音だけが聞こえる。
心臓がバクバクと脈を打つ。
何、俺。
学に見せてるだけじゃん。
芽衣じゃねぇんだぞ。
何…焦ってんだよ。
……沈黙に、耐えられない。
「……湊爽緒」
学が俺を呼ぶ声に、ビクッとしてしまう。
今俺、どんな顔してる?



