「はい。イライラしとるようにも見えました」
「イライラ…」
「湊爽緒があんなにあからさまなの、初めて見たよね」
「ん。湊爽緒は普段あんまり感情を顔には出さへんけど、あれだけイライラした顔は見たことないな」
「つーかさ」
「「「え?」」」
突然の学の声に、3人は学のほうを向く。
学は腕を組み、壁によっ掛かっている。
「湊爽緒に聞けばいいじゃねーか。直接。それが1番手っ取り早いだろ」
「いや、赤碕…それは無理ちゃうかな…」
「何で」
克の言葉に、ギロッと睨みをきかせる学。
「やって、今湊爽緒なんやキレてんねんで?そないな状態で、芽衣さんが『聞かせて』言うて、話して貰えるわけないやろ」



