「なるほど。坂上かぁ…確かに、お前美容室で働いとるからな」
「え、そうなのか!?」
こいつにそんな技能が!?
「おぉ、克ぃ〜何じゃお前、知っちょったんか〜」
ケラケラと愉快そうに笑う風児。
「オレん家なぁ、美容室しちょーて、昔から手伝いよったきに、少しは出来るっちゃ」
「へぇ…」
「あ、でもバイトはまだ髪切って金貰うんは無理なんじゃ。シャンプーくらいやき」
あぁそうか。
資格が要るから…だよな。
見習いしてんだな。
「じゃから髪のセットくらいは出来るっちゃ」
ニッと笑う風児に、
「やから…時定が呼んだんか」
うんうん、と理解したように克が頷いた。



