「どれだ!?」
明るい場所で黄色のペンキを必死に探す俺達。
「これやっ!!」
克が指した先に、そのペンキはあった。
「やったぞ克!!」
「なんや色々なことあり過ぎて、相当遠回しになったけど、ようやくやな!!」
俺達は涙を少し目に浮かべつつ、歓喜の渦に浸っていた。
パコーッン
……………………へ?
嫌な予感と嫌な音。
俺と克は、ロボットのように首だけをギギギッと音のしたほうに向けた。
「☆♂*#×◎※♀Å∬∽!?」
俺達は、声にならない声を上げた。
ペンキが入った缶が、俺達の居る場所から数十メートル離れたところに飛んでいったからだ。
見てないが、分かる。
それは…
「ペンキが…黄色のライン引いてるーっ!!(泣)」
そう。地面には、はっきりと、ペンキの涙が落ちていた。



