「ちょっと何やってんのタッちゃん…。んー…足手まといっていうの、まさにこういうこと言うんだよね〜」
一部始終を見ていたらしい時定が、零れたペンキを拭きに近づいた。
や、やべぇ!!拭かれちゃまずい!!
「「待てっ!!時定ァアアァアア!!」」
「え?なぁに?」
ベチャッ
「「あ、あぁあああ…………」」
俺と克は、1歩踏み出した足と、届くことの無い宙に浮いた左手を戻す気力さえない。
「え、え?んー…ごめん、ボク、何かしちゃった?」
「しちゃいましたよもうすごく!!」
俺は自分が泣いてるのか、諦めで笑っているのかもわからない声でそう言った。
「どないすんねん………最後の切り札ものうなったわ…」
だよな…。もう零れたとこには、ペンキを拭いた雑巾と拭いて広がったカスしかねぇよ…(泣)



