「方向音痴は治ったのかよ?」
「ボクは方向音痴じゃないよ。君に、少しのテストをしていた」
「は?」
「ボクね?この学校の………理事長なんだ」
は?理事長…が、高校生??
いやいや待て待て。
高校生が理事長とか、無理だろ。
「ボクの父が、この学校の理事長だった……勿論、この学校を造ったのも父」
「理事長って…おい」
「あぁ、話はこれから。父は1年前、植物状態になったんだ」
「な…植物、状態…」
脳死ってことだろ…?
「突然の交通事故。ボクはそれで…何故か、以前から遺言を書いていた父のその遺言書で…跡継ぎになったんだ」
…つーか。
「お前こそ、何でもほいほい答えていーのかよ」
「んー…ミサちゃんになら、大丈夫だと思ったの。自分の辛いこと、隠さず言えるミサちゃんになら」



