パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

『スクール・ナイン』とは今、若い男の子たちに人気がある女性9人のアイドルグループ。
可愛らしいミニスカートの野球のユニフォームを着ているのが売り。
だが、バラエティーでもインタビューでも、マニュアル通りの受け答えしか出来ず、『カワイイ』以外に取り柄がない。
まさに『今』が命のアイドル。





「そのドラマに出ろって事ですか?」



「そう」



神川は少し笑みを浮かべて奈桜を指差した。



「だが、ひとつ問題がある。この話は直接事務所に通せない。何故なら、絶対受けてもらえない話だからだ」



「どういう事ですか?」



「主役じゃないんだよ。それでも頑張って2番手の役を用意した。主役の彼女に振られてもしつこく密かに片想いしている地味な男の役だ。彼女の相手役は他にいる。出番もセリフも少ない。奈桜にしてもこの役じゃ、今のポジションからはプライドが許さないかもな。ずっと主役しかやってないだろ?事務所的にも絶対に納得しない役どころだ。でも、ギャラは何とか合わせるつもりだ。彼女…佐久真 桃(さくま もも)ちゃんだが、彼女のファンは彼女が出るドラマには興味ないんだよ。彼らは目の前で歌ってる彼女たちが全てなんだ。だからCDは買う。でもドラマは観ない。一般の視聴者がどれだけ観る?正直、脚本も面白くない。全ては彼女の可愛さのみをアピールしてるクソな脚本だ」



「クソな脚本って…」



ない事はない話なので奈桜は苦笑いした。