パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「心にはお見通しって訳だ」



奈桜は下を向いて笑った。



「タロットで占っただけだよ」



言いながらテーブルにカードを並べ始める。



「碧は…上手く行くと思うか?」



心配そうに…すがるような目で奈桜が碧を見つめる。



「そんな子犬みたいな目、すんなって。連れて帰ってやんないからな。……碧は………言わない」



「何だよ。分かってるんだろ?」



「この答えは個人情報にあたる。だから言えない。例えリーダーの頼みでも」



「いや、リーダーの特権で何でも聞けるんだよ」



真顔で言う。



「リーダーの特権って何だよ。今日のリーダーは面白いな」



カードをゆっくりめくっていたが、ふと指が止まった。




「奈桜、また動き出すよ」



急に真剣な顔になって、心がカードを読む。



「慎重に…。掴めるものなのに、スルッとその手から滑り落ちるかもしれない。…全て欲しいなら、死ぬ気で掴みに行く事。どんなに困難でも女神が必ず側にいる」



「女神?」



「オレでは…ないな」



「そうみたいだな」



2人は見つめ合って頷いた。