パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「なんだ。元気そうじゃん。心配して損した」



「えっ?」



「今さらリーダーなんかにされて可哀想だって同情してたのに。意外とヤル気?」



またからかう。
心はちょくちょく奈桜に絡んで来るところがある。



「心、副リーダー、やる?」



「何それ?リーダーに『副』なんてあるの?」



心が笑い出す。
何故か結構ウケている。





「…あんまり思い詰めるなよ。碧の事も全部自分で何とかしようとしてるだろ?碧の事と奈桜の過去の事は別もんだよ。事務所がリーダーの話を振って来たのは、奈桜が思ってる通り。これ以上のスキャンダルは御免ってのが事務所の本音。特に上手く隠してしまう奈桜が、事務所的には問題だった。…でも、奈桜が悩んでるのは別にあるだろ?自分の事があるせいで、碧の恋愛が潰される。…自分はまだ事務所の怒りを買ったまま。みんなに申し訳ない…ってさ」



心の全てを見透かすような目が奈桜をじっと見る。