パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

専務はフッとやや下を向いて笑った。



「言いたい事はそれだけか?」



ニヤッと笑いながら奈桜を見る。



「え?あ……はい。あの…」



「甘いよ。奈桜」



まだ何か言おうとした奈桜の話を遮る。



「言っただろ?ファンと君たちの間で何か契約でも交わしてるのか?向こう10年間、ファンでいます。CDもアルバムもDVDもグッズもずっと買います。契約違反したら罰して下さい。って?…んな訳ないだろ?引く時には一斉にごっそり引くんだよ。頂上から谷底。Zを好きかどうかは向こうの自由なんだよ。いつだって変更可能。信じてる碧に彼女がいるって分かったら、しかも幸せそうな顔してたら、嫉妬して当然。昨日はあんなに誉めてくれてたのに、今日は悪口三昧。でも、それは何も悪い事じゃない。ファンを裏切った当然の報いだ。……恋人と上手くやりたいのなら、職業を変えろ。今、1番大事なのは何かよく考えてみろ」



「碧は……諦めるしかないんですか?何とかならないですか?仕事だったら増やしても構いません。ですからどうか…」



奈桜は必死に食い下がる。