パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「早速だが、リーダーにやってもらいたい仕事がある」



『来た』と奈桜は思った。
何か思惑があるに決まってる。



「無理ですよ」



言われる前に、まず断ってみる。
そうやって、相手の出方を伺う。



「碧の事だ。話は聞いてるだろ?」



奈桜のさっきの言葉は全くスルーされ、予想外の話題を振って来た。



「えっ?」



「聞いてないのか?」



どう答えるべきか一瞬、考える。
知らないふりをして、専務がどういう風に奈桜に言うのか聞いてみたい気もする。
でもやはり、楽屋でのマネージャーとのやり取りは、見ていないとは言えないだろう。



「大体の話だけ、聞いています」



何となく話が見えて来たが、それは間違いであって欲しいと強く思った。