パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「それは良かった。メンバー内のトラブルほど、厄介なものはない。恋愛モノと仲間割れはマスコミの大好物だからな」



「はぁ…、まぁ、そうですね」



奈桜は苦笑いしか出来ない。



「で、…だ」



「え?」



専務のあまりに短い言葉に奈桜は聞き返す。



「Zはリーダーがいなかったよな?」



いよいよ本題に入って来た。
奈桜は話の全容が見えた気がした。



「はい。いません。でも、今の状態がベストだと思っています。個々がきちんと自覚を持って仕事にも臨んでいます。リーダーはいなくても十分かと…」



奈桜はいつになくはっきりと答える。



「そうだな。的確な答えだな」



『ふぅー』と奈桜は小さくため息をついた。



「やはり私の目に狂いはなかった。…奈桜、今日から君がZのリーダーだ」



『はい』とにこやかに返事をすると、ちょっとの間を置いて『えぇ!!』と声を上げた。
まるでコントのように…