パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~



次の日、レコーディングの合間を縫って、奈桜は事務所に来ていた。
『ちょっと話がある』と、事務所の専務に呼び出されていたのだ。



「久しぶりだなぁ~」



「奈桜さん、終わる頃に迎えに来ますので。あ、あの…」


奈桜のマネージャーの石田は部屋の中には入らないらしい。



「何?」



「あ…いえ、何でもないです。すみません」



石田は軽く頭を下げる。



「じゃ」



奈桜は応接室のドアをノックして中に入って行く。
石田はしばらくそのドアをじっと見ていた。
話の内容は、石田には知らされている。



「奈桜さん…、頑張って下さい」



ドアの向こうの奈桜へ、深く頭を下げた。