パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「孤独…かもな。ある部分」



そう言って、また口をつぐむ。
奈桜はこれ以上はそっとしておこうと思った。



「じゃあ……、オレ、先に帰るわ。碧も明日、早いんだろ?気を付けて帰れよ」



走って来た海岸沿いを戻って行く。




「奈桜!」



碧の叫ぶ声に奈桜が振り返る。



「アイドルは……恋したらダメなのか?自分の夢を叶えたら…ひとつ叶えたら、ひとつ大事なものは手放さないといけないのか?」



聞いても正確な答えなんてない事くらい分かってる。
全ては暗黙のルール。
最初は覚悟していたはず。




「してもいいよ。支えてくれてる人たちのおかげで、今の自分が立ってるって事を忘れなければ」



数秒、見つめ合い、奈桜はまた歩き始める。



「あんまり色々考えるな。夜中の考えはろくな事ないからな。朝日見ながら考えろ。その方がいい」



後ろを向いたままそう言うと、右手を高く挙げて振った。



「…ありがとう。奈桜」



ゆっくり小さくなって行く背中に言う。



碧の中にひとつの答えが出ていた。