「よぉ♪」 なるべく驚かさないように気を配りながら、奈桜は砂浜に寝転んでいた人影に声をかけた。 「えっ!?」 暗く、ぼんやりとした夜の景色の中に、弾かれたように何かが動く。 「奈桜?」 上半身を起こして見上げるその端正な顔立ちは、間違いなく碧だった。 「風邪引くなよ」 笑って言いながら、奈桜は碧の近くに腰を下ろす。 が、春の夜の砂浜はかなりひんやりとしていた。 「冷てぇ!お尻が風邪引くぞ!」 奈桜は慌てて立ち上がるとお尻の砂を勢いよく払う。 碧はその姿を見て楽しそうに笑った。