パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~




~コドク・こどく・孤独~



奈桜は踏んでいたアクセルを少し緩め、スピードを落とした。


窓を全開にする。



心地よい風と懐かしい潮の香りが奈桜の顔を包んで行く。



「この匂い…、いいなぁ」



右の腕を窓から少し出し、風を感じた。



車は海沿いの道を走っている。今がもし夕方だったら、その景色に心奪われて運転どころではなかっただろう。
考え事で頭がいっぱいの奈桜には、今の、真夜中の黒い海で十分だ。
それだけでもテンションは上がっている。



奈桜は肌で海を感じながら、頭で様々な事を思考していた。
碧の事、梓の事…
どこにいる?これから行くとこにいる?いなかったら?
明日、いつなら時間取れる?
会いたい…。
今、1人?事務所から電話があったらどうすんの?



クルクルと『想い』は変わり、思考回路はフルで動く。



「ここに決まってる…」



タイミングよく、カーラジオからZの曲が流れて来た。