パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「何も心配するな。オレを信じろ。全部受け止めてやるから。梓の荷物、オレが背負ってやる。オレにはさ、いい仲間がいっぱいいるから。みんなが助けてくれてるから。全部、何とかなる。梓の気持ちだけ、それだけ、考えてくれ」



電話の向こうから梓の嗚咽が聞こえて来る。
側で抱きしめられない事が奈桜にはもどかしい。
この手でいつも梓の温もりを感じたい。
指に触れたい。
この、近そうで遠い距離が嫌だ。



「奈桜・・・。私は・・・私は・・・、あなたが好き。何があっても、好き。ずっと、ずっと、側にいれたらって思ってた。ありがとう。奈桜と・・・結婚する」



今、掴まないと2度とこの瞬間は来ないと梓は思った。
きっと、人生で1度きりの最高の幸せを掴むチャンス。
全て、奈桜を信じよう。
どんな困難も、奈桜となら乗り越えられる。
こんな素敵な人は他にいないから。
この人さえいれば何も怖くない。
きっと、いつも幸せでいられる。
強い思いが梓に生まれた。