パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「世の中、金なんだよ。いくら綺麗事を言ったって、金が好きなヤツらには金なんだよ。オレを誰だと思ってる?こういう時の為に人脈を広げて来た。大手のスポンサーをいくつも得たよ。1社では敵わなくても、何社も集まれば、向こうの言う金額なんてすぐに集まる。大ヒット間違いなしだからな。今後の為にも噛んでおきたいっていうヤカラもいるし。ただし、どこも条件はお前と梓が出る事だ。いいか、オレはこの映画に賭ける。お前も本気で来い」



いつになく真面目な顔で話す様子から、本気なんだと奈桜は思った。
自分を買ってくれるのは有り難い。
ただ、相手が神川だけに、何かあるようで安心出来ない気持ちも残る。



マネージャーの石田は2人のやり取りを少し離れた廊下の隅で見ていた。
仕事の時間も気になるが、口を挟めない状況だという事も分かっていた。