「パパ・・・。図鑑って。今時、見る人いないよ。それより・・・、載ってるかなぁ。その人」
どことなく他人事のようなしゃべり方に、桜の現実逃避したい子供心が見える。
桜にとって、『母親』は七海だけだ。
父親の奈桜が結婚するという事は、その結婚相手が新しく『母親』になるという事。
本能で受け入れる事を拒否しているのだろう。
それでも表面上は平静を装っている事に奈桜の胸はうずいた。
そして、その事と平行して自分の正体がバレそうになっているこの状況。
『何で今?』、『この時間のない時に』
思っても全ては自分の撒いた種。
頭が混乱しつつ、最後は『神様、助けて下さい!!!』と、無意識に願っていた。
もう、祈るしかない。
桜の指はすでにページをめくり始めている。
「あれ?」
ページを見つめて桜の首が不思議そうに傾く。
『終わった・・・』
奈桜は祈りが通じなかった事を責めはしなかった。
日頃、信仰心が薄いから仕方ない。
どことなく他人事のようなしゃべり方に、桜の現実逃避したい子供心が見える。
桜にとって、『母親』は七海だけだ。
父親の奈桜が結婚するという事は、その結婚相手が新しく『母親』になるという事。
本能で受け入れる事を拒否しているのだろう。
それでも表面上は平静を装っている事に奈桜の胸はうずいた。
そして、その事と平行して自分の正体がバレそうになっているこの状況。
『何で今?』、『この時間のない時に』
思っても全ては自分の撒いた種。
頭が混乱しつつ、最後は『神様、助けて下さい!!!』と、無意識に願っていた。
もう、祈るしかない。
桜の指はすでにページをめくり始めている。
「あれ?」
ページを見つめて桜の首が不思議そうに傾く。
『終わった・・・』
奈桜は祈りが通じなかった事を責めはしなかった。
日頃、信仰心が薄いから仕方ない。

