「まだ。麗奈(れいな)ちゃんに借りたの。入れっぱなしで見るの忘れてた。麗奈ちゃん、Zが好きなんだって。奈桜って人がすっごくカッコイイんだって。Zって人気あるんだよ」
奈桜の心臓はパニックのあまり、止まってしまうんじゃないかと思った。
今、桜の口から出ている『奈桜』というフレーズ。
それは紛れもなく自分の事だ。
幸い、桜の中でZの『奈桜』とパパの『奈桜』はイコールにはなっていない。
そりゃ誰だって自分の父親がまさかアイドルだとは思わないだろうが。
でも、今、桜の腕にしっかりと抱かれているのは、奈桜がZの奈桜としてたっぷりと載っている雑誌である。
ページをめくれば、全てが明らかになる。
「へ、へぇ~。そうなんだ。まだ見てないのか。そっかぁ。桜、そんな雑誌見るより、パパは図鑑を見た方が面白いと思うなぁ。恐竜とか宇宙とか・・・」
自分の口から「図鑑」なんて言葉が出て来るとは、奈桜自身、驚く。
人間、追い込まれるとすごい事を言うものだ。
奈桜の心臓はパニックのあまり、止まってしまうんじゃないかと思った。
今、桜の口から出ている『奈桜』というフレーズ。
それは紛れもなく自分の事だ。
幸い、桜の中でZの『奈桜』とパパの『奈桜』はイコールにはなっていない。
そりゃ誰だって自分の父親がまさかアイドルだとは思わないだろうが。
でも、今、桜の腕にしっかりと抱かれているのは、奈桜がZの奈桜としてたっぷりと載っている雑誌である。
ページをめくれば、全てが明らかになる。
「へ、へぇ~。そうなんだ。まだ見てないのか。そっかぁ。桜、そんな雑誌見るより、パパは図鑑を見た方が面白いと思うなぁ。恐竜とか宇宙とか・・・」
自分の口から「図鑑」なんて言葉が出て来るとは、奈桜自身、驚く。
人間、追い込まれるとすごい事を言うものだ。

