パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「ちょっと違うなぁ~。先生の役の人なんだけどなぁ。やっぱり覚えてないか」



「ちょっと待ってて」



桜は席を立つと自分の部屋へ戻って行く。
『忘れ物か?』と奈桜は少しリラックスする。
桜の登校時刻まで後30分。



戻って来た桜を見て、奈桜は絶句する。



「そ、それ!!桜、それ!!」



桜が手に持っていたのは、奈桜たちZが毎月必ず巻頭を飾っているアイドル雑誌。
今月号は特集されていて、アップもある。
というより、アップでなくてもそれが奈桜だとすぐに分かる。
隠しようがない。



まさか・・・知ってしまったのか?
知っててオレと普通を装っているのか?
だとしたら・・・どうしたらいい?
桜はどうするつもりなんだ?
奈桜の頭はパニックになる。



「見た・・・のか?」



思わず声が裏返る。