「なるほど」
奈桜はフッと笑った。
『そういう事か』と。
「どうかしたんですか?」
「いや、何でもない。ちょっと思い出し笑い。やっぱりさ、出るわ。この役、本気で欲しくなった。要はソイツより上手くやれば面白くなるって事だろ?マスコミには日頃お世話になってるしさ。負けが決まってるなら余計やりやすい」
石田には奈桜の本心は分からない。
ただ、どうしても出たいと言うのなら仕方ない。
マネージャーとして、負け試合に出させたくないのはやまやまだが。
「分かりました。では、このままお待ち下さい」
少し気落ちした顔で立ち去ろうとすると奈桜が呼び止めた。
「石田さん、コンタクトの方がカワイイよ」
「あ、ありがとうございます」
慌てて部屋を出ると必死で呼吸を整える。
鞄から鏡を取り出し、その小さな銀色の表面に大急ぎで顔を映し出す。
少し口紅が落ちている。
アイシャドーも。
ちょっとがっかりする。
「でも・・・、ちゃんと見てくれてるんですね。奈桜さん・・・」
また顔が真っ赤になった。
奈桜はフッと笑った。
『そういう事か』と。
「どうかしたんですか?」
「いや、何でもない。ちょっと思い出し笑い。やっぱりさ、出るわ。この役、本気で欲しくなった。要はソイツより上手くやれば面白くなるって事だろ?マスコミには日頃お世話になってるしさ。負けが決まってるなら余計やりやすい」
石田には奈桜の本心は分からない。
ただ、どうしても出たいと言うのなら仕方ない。
マネージャーとして、負け試合に出させたくないのはやまやまだが。
「分かりました。では、このままお待ち下さい」
少し気落ちした顔で立ち去ろうとすると奈桜が呼び止めた。
「石田さん、コンタクトの方がカワイイよ」
「あ、ありがとうございます」
慌てて部屋を出ると必死で呼吸を整える。
鞄から鏡を取り出し、その小さな銀色の表面に大急ぎで顔を映し出す。
少し口紅が落ちている。
アイシャドーも。
ちょっとがっかりする。
「でも・・・、ちゃんと見てくれてるんですね。奈桜さん・・・」
また顔が真っ赤になった。

