パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「すみません、奈桜さん。私の不手際です。申し訳ありません」



「何?何で?オーディション、無くなった?」



石田は深々と頭を下げた後、悔しそうな顔をしている。
明らかに何かあった事は分かる。



「すみません。・・・このオーディション、デキレースだったんです。意味が無かったんです。奈桜さんは・・・話題作りだったんです。本当にすみません!もう少しちゃんと調べるべきでした」



デキレースなんて、この業界では珍しい事ではない。
が、石田の落胆ぶりから見て、この映画に本気で期待していた事が分かる。



「デキレースかぁ。面白そうだな。せっかくここまで来たんだし。・・・やるよ。場数を踏むのも勉強になるしさ。それに、この役、何かやってみたい。落ちてもいいから受けるよ」



サラッと言うとペットボトルを取り出し、ゴクッと水を飲んだ。