パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「甘いです」



いつになく石田がピシャリと言う。
これには奈桜も驚いた。



「奈桜さん、この世界、生き残ろうと思ったらそんな事じゃあダメです。アイドルは息が短いものです。若くてカッコイイタレントが出れば、あっさり乗り換えられてしまいます。次から次なんです。ここで根強いファンをつけるには『実力』が大事です。幸い奈桜さんにはドラマでついたファンの方もいます。演技力には相当いい評価も頂いています。ここで!もうひとつ、『演技派』のイメージをつけて行こうと思います」



気づけば・・・車は路肩に停められ、石田はバックミラーに映る奈桜を強く見つめて力説していた。



「演技派・・・ねぇ。何か面倒臭そうだなぁ」



石田とは対照的に全く乗り気ではない奈桜。



「逃げるんですか?難しい事から。このままぬるま湯に浸かってますか?」



今日の石田は今までで1番マネージャーらしかった。