パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「そういう話なら、仕事がありますから」



「青山柊が青山グループの御曹司だって知ってたのか?それで諦めたって訳か。・・・まぁ、球団まで持ってるしな。いくら雨宮奈桜でも太刀打ち出来ないな。ケタが違い過ぎる。青山の事務所も父親のものだが、実質、アイツの好きに使われてるらしいな。要は芸能界で梓とのきっかけ作りに作っただけって事だな。ずっとファンだったらしいぞ。梓の。いいよな。金持ちは金に物言わせて好きな女も簡単に手に入れやがる。オレはお前が不憫で仕方ないよ。あまりにも気の毒な話だ。どうだ、イイ女、紹介してやろうか?一人は淋しいだろ?」



青山柊が大手の自動車メーカーや製薬会社、家電メーカーなど、いくつも経営しているあの青山グループの社長の息子だとは全く知らなかった。
これで青山という男がやっと分かった。
が、それは相手の大きさがリアルに分かる結果になってしまった。
奈桜は何も言えず立ちすくむ。



「なんだ。知らなかったのか?哀れなヤツだ」



「もう・・・いいですか?」



奈桜はようやく言葉を発すると、立ち去ろうとした。




「あれ?雨宮さん?」



別の誰かが呼び止める。