~時は止まらない~ 「おい、奈桜は何やってんだ?アイツの会見、始まったぞ」 撮影の合間の休憩時間に、碧が携帯のワンセグを観ながら呟く。 小声ではあるが、明らかにイラついているのが分かる。 「ふぅ・・・。やっぱり妨害にあったか。そっちは奈桜にはトラブルしか運んで来ないのに。誰にでもいい顔しちゃって」 心はめくっていたタロットカードを置くと、ぐちゃぐちゃに混ぜた。 「もう、自分で切り開くしかない。お前なら掴めるさ」 携帯の小さな画面の中の青山柊は、自信に満ちた顔をしていた。