意外な奈桜の一面を見て、紗希はひとつ宝物が増えたような喜びに満たされる。
「あの・・・、今日はオフだったんですか?」
「えっ?あっ!!!ヤバイ!!」
奈桜の顔が急に変わる。
本当に大事なコトを忘れている。
「仕事だったんですか!?すみません!!」
紗希も慌てて謝る。
「いや、そうじゃなくて・・・。いや、仕事もなんだけど。もっと大事なコトが・・・。ごめん。宮ちゃん、もう大丈夫だと思うから。ね、色々あると思うけど、真っ向から攻めようよ。裏は良くない。裏は。その・・・、最初は大切だし。・・・って、何言ってんだか。つまり、自分は大切にしろ。体も心と同じように扱ってやらなきゃ。同じ自分なんだから。・・・ごめん、送ってあげられないけど。気を付けて帰れよ。じゃ、急ぐから。また!」
ちょっと甘い香水の残り香が、紗希の嗅覚に記憶されて行く。
そしてそれは、確かにそこに奈桜がいた事を証明している。
忘れようとすればするほど、ポンッと現れて心を揺すって行くヒト。
どれだけ頑丈な鎖で縛っても、もうこの想いは抑え切れないかもしれない。
「奈桜さんが・・・、悪いんです」
「あの・・・、今日はオフだったんですか?」
「えっ?あっ!!!ヤバイ!!」
奈桜の顔が急に変わる。
本当に大事なコトを忘れている。
「仕事だったんですか!?すみません!!」
紗希も慌てて謝る。
「いや、そうじゃなくて・・・。いや、仕事もなんだけど。もっと大事なコトが・・・。ごめん。宮ちゃん、もう大丈夫だと思うから。ね、色々あると思うけど、真っ向から攻めようよ。裏は良くない。裏は。その・・・、最初は大切だし。・・・って、何言ってんだか。つまり、自分は大切にしろ。体も心と同じように扱ってやらなきゃ。同じ自分なんだから。・・・ごめん、送ってあげられないけど。気を付けて帰れよ。じゃ、急ぐから。また!」
ちょっと甘い香水の残り香が、紗希の嗅覚に記憶されて行く。
そしてそれは、確かにそこに奈桜がいた事を証明している。
忘れようとすればするほど、ポンッと現れて心を揺すって行くヒト。
どれだけ頑丈な鎖で縛っても、もうこの想いは抑え切れないかもしれない。
「奈桜さんが・・・、悪いんです」

