パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「そんな・・・」



紗希なりに一大決心をして誘いに乗った。
出来ればそんな事、やりたくはない。
当たり前だ。
葛藤する気持ちになんとか自分で折り合いをつけ、死ぬ気で臨んだのだ。
それが、ただの体目的だったなんて。
紗希は全身の力が一気に抜けて、座り込んでしまった。
それと同時に、こんな自分を奈桜に見られた恥ずかしさでこの世から消えて無くなりたくなった。



「喰われなくて良かったよ」



笑って言う奈桜に、やはりさっきの紗希の告白は届いていなかった。
その事だけが紗希を安心させた。



「奈桜さん・・・、ありがとうございます。私、何も見えてなくて。ただ、事務所を何とか助けたくて。仕事が欲しくて。まだ、そういうコト、経験もしてないのに・・・」



奈桜の顔が真っ赤になる。



「それは・・・言わなくていいよ」