パパはアイドル♪vol.２ ～奈桜ｸﾝの多忙なｵｼｺﾞﾄ～

「奈桜さん！どうして？」



紗希の目が驚いて丸く大きく見開く。



「行こう」



「行こうってどこへ？・・・離して下さい」



まだ掴まれたままの腕を、必死に振りほどこうとする。
紗希の心は一気に乱れ始めた。
掴まれた腕はどんどん熱を帯びて来る。



「帰るんだよ。バカな事はするな」



勘違いであって欲しい。
奈桜は、笑って終わりにしたかった。




「ちょっと、何してんの？彼女、嫌がってるでしょ？・・・あれ？もしかして、雨宮奈桜？マジで？国民的アイドルがこんなとこで何してんの？」



３０代前半くらいのモテそうもない男が奈桜の腕を掴んだ。