パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

その時、痛みに歪んだ顔で奈桜が碧の腕を引っ張り、自分の顔に引き寄せた。



「いてぇんだよ。どういうつもりだ?」



「分かんねぇのか?行けって言ってんだよ。お前の代わりならいくらでもいるんだよ。でも、梓さんにとっての雨宮奈桜はお前ひとりなんだよ!」



「えっ?」



つい声が大きくなった碧に石田が反応する。
すると今度は碧が奈桜を引っ張って自分の顔に寄せる。



「いいから。ここは任せろ」



「でも、仕事・・・。それにこの時期に胃腸風邪って・・・」



「心!グッドタイミング!」


奈桜を突き飛ばし、碧が大声で手を振る。
偶然にしちゃあ出来すぎではあるが、向こうから心がやって来た。