パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~




~好きなら~





「奈桜さん、今日のロケは碧さんとお二人です。おそらく碧さんがしきって進めて下さると思います」



もうすぐ目的地に着く、という頃にマネージャーの石田が奈桜に声をかけた。
奈桜はその声でもまだ眠っている。



「その後、絵本の打ち合わせ、撮影、取材・・・今夜も遅くなりそうです」



だんだんと小声になりながら、聞こえていないだろう奈桜に言った。



「忙しすぎてすみません・・・」




「えっ、何?」



目をこすりながら、奈桜がようやく反応する。
何となく声は聞こえたようだが、まだ思考は夢の中・・・



「あっ、もう着きます。起きて下さい」



バックミラーに映るねぼけた奈桜のあどけない表情に、石田は一瞬ドキッとする。



「カッコ良くて、可愛いって・・・奈桜さん、反則ですよ・・・」



絶対に聞こえない小さな声で石田が呟いた。