「そうだな。オレが父親でもきっとそう思う。『普通』に育てたいって。・・・でも、オレたちの職業ってちょっと特殊なとこあるから。確かに難しいとこあると思う。でもさ、それって奈桜の気持ちの問題なんじゃない?奈桜がそれを『普通』だと思えば普通なんだよ。だって、みんな、自分は普通だって思ってる。実際は微妙に違ってても。例えば桜ちゃんが一人では学校に行けない状況が起きたとして、誰かに付き添ってもらわなきゃいけない、学校でも先生に守ってもらわなきゃならない、たえず誰かにガードされてるとして。ちょっと異常だよね。普通なら。でもさ、それってこの仕事やってる上で有り得ない事でもない。ある意味『普通』。たださ、そこに関わって来る人たちに対して、感謝の気持ちを忘れなきゃいいんだよ。助けてくれてありがとう。してくれてありがとうって。そこで、やってくれて当たり前って思ったら、それはもう、『普通』じゃなくて『特別』。無理して人の『普通』に当てはめなくていいんじゃない?奈桜の『普通』で。そう思ってやってたら、きっと上手く行くよ。奈桜の望む『普通』の生活が出来るよ」
「そうだな。そう言われるとなんか楽になった。ちょっと力入り過ぎてたかもな。こだわり過ぎるのも良くないよな?・・・ありがとう。やっぱ泉だな。なんか気が晴れた。これでゆっくり寝られるよ」
安心したように笑う声を聞いて、泉もホッとした。
少しでも奈桜の力になれたのなら、嬉しい。
「そうだな。そう言われるとなんか楽になった。ちょっと力入り過ぎてたかもな。こだわり過ぎるのも良くないよな?・・・ありがとう。やっぱ泉だな。なんか気が晴れた。これでゆっくり寝られるよ」
安心したように笑う声を聞いて、泉もホッとした。
少しでも奈桜の力になれたのなら、嬉しい。

