パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~





「・・・はい」



携帯の着信音で奈桜は目を覚ました。
いつの間にか、桜の側で眠ってしまっていたようだ。



「あぁ、ごめん。寝てた?じゃあ、いいよ。大した用じゃないから。また明日」



「あ・・・、大丈夫。うたた寝してた。まだ風呂も入ってないし、起こしてくれて助かったよ。何かあった?」



電話の声は泉だった。



「いや、ちょっと気になってさ。何か深刻な顔してたし。またひとりで抱え込むんじゃないかと思って。ごめん。オレ、心配性だな」



ちょっと笑った声を出したが、泉は心配でたまらなかった。
最近の奈桜の仕事の量もハンパないし、休みがずっとない事も知っている。
そして、絶対、弱音を吐かないコトも。



「アハハ。そんな深刻な顔してた?オレ、すぐ顔に出るなぁ。・・・うん、大丈夫。上手く行ったから。ごめん。心配かけて」



「そっか。なら、いいんだ。それだけ。じゃ、明日。おやすみ」



明日も仕事が詰まってる事を考えて、泉は早々に電話を切ろうとした。



「あ・・・、あのさ・・・」



奈桜が言葉を繋げる。