パパはアイドル♪vol.２ ～奈桜ｸﾝの多忙なｵｼｺﾞﾄ～

「じゃあ・・・。もう遅いですし。・・・ね？」



奈桜はキッチンにいる優子の方を同意を求めるようにをチラッと見る。
優子は心配そうに様子を伺っていたが、奈桜の言葉にヒョコッと顔を出した。
そして『うんうん』とすばやく２回頷いて見せる。
奈桜は不満げに『頷くだけかよ？』と心の中でちょっと毒づいた。



「いえ、全然大丈夫です。こうやって親御さんのご相談に乗る事も私の仕事ですから！」



どんどんテンションが上がっているように見えるのは、たぶん気のせいではないだろう・・・



「いやぁ、こんな美人の先生を、これ以上ひとり占めする訳には行きませんよ。彼氏に怒られます。・・・今日は本当にありがとうございました。また改めて学校に伺わせて頂きます。校長先生にもどうかよろしくお伝え下さい。・・・遅いですのでお送りします」



立ち上がり、丁寧に頭を下げる。
心の中で、『オレ、ちょっと父親っぽい』と一瞬、自分に酔う。




「あ・・・、でも、もう少し、大丈夫です。もう少し、奈桜さんとお話が・・・」



嫌がる美優希を急かせ、慌しくドアへ連れて行く。
奈桜が送ると思いきや、そこで優子が現れて美優希の腕をガシッと掴んだ。
そして『先生、お送りします』と奈桜に手を振りながら帰って行った。



「母さん・・・ナイス」