パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

美優希は黙り込んでしまった奈桜を見て、心の中の少しの恋心が満たされた気になる。
こんな困った顔の雨宮奈桜を他の誰が知っているだろう。
何がなんでも力になってあげたい衝動にかられる。



「あの・・・、奈桜さんはどうお考えですか?」



気持ち、美優希の体が奈桜の方へ乗り出して来ているような気がする。



「・・・教育委員会のお考えはよく分かりました。ごもっともです。本当に申し訳ありませんでした。御迷惑をおかけしました。今日の事は全て私のせいです」



頭を下げる奈桜に美優希は慌てる。



「そんな謝らないで下さい!奈桜さんのせいじゃないです!私、信じてますから。あんなの・・・、スキャンダルってデマが多いんでしょ?」



『えっ?』という顔で奈桜が美優希を見る。
奈桜からすれば明らかにズレている。
問題はそこではない。
だが、今、奈桜の両手はしっかりと美優希に握られていた。



「いやぁ・・・、あの・・・、そうですけど。いや、そうじゃなくて。・・・このまま、転校せずに学校に通う事は無理でしょうか?」



やんわりと、絡ませられた手をほどいて行く。