パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「あっ・・・、腹がいてぇ・・・。ヤバイ。オレ、ちょっとトイレ行ってくるわ」



いきなり奏がお腹を押さえて部屋を出て行く。
と・・・



「・・・あ、そうだ。急いで調べなきゃいけない事があったんだ。プロデューサーに頼まれてたんだった。ごめん。取材の順番、後にしといて」



そう言って、泉がパソコンを開く。



「・・・はい?あぁ、ユキちゃん?あぁ・・・、さっきの話ね。今?え・・・っと、ちょっとだけなら」




わざとらしいくらいに大きな声で電話に出る心。
話しながら左手で『ごめん』というしぐさをして、部屋を出て行く。



「悪い。ちょっと先にやってて。PVで気になる事あるから、ちょっと話して来る。取材、順番、最後でいいから」



碧がスマートに立ち上がり、颯爽と部屋を出る。
ただ部屋を出るだけなのに、キマっている。



『カッコいいなぁ』とぼんやり奈桜は見送った。