パパはアイドル♪vol.２ ～奈桜ｸﾝの多忙なｵｼｺﾞﾄ～

「ごめんね。今、家に桜ちゃんの担任の先生が来てるのよ」



奈桜は部屋の時計を見た。
夜の９時を少し過ぎている。
家庭訪問にしては遅過ぎる時間だろう。



「６時頃からずっと待ってて。帰りはいつになるか分からないから、また連絡しますって言ってるんだけど。帰ってくれなくて。待ってますって。どうしても直接話しがしたいみたい。大事な話みたいよ。それで、ちょっと電話したの。夜中になるなら、いくらなんでも帰ってもらうしかないから」



優子も先生相手に長い時間、大変だったろう。




「わかった。ごめん。面倒かけて。まだ仕事が残ってるし。先生がどうしても今日中にって言うなら、納得するまで待っててもらって」




『納得するまで』の言葉に、離れて別の事をしていたメンバーたちがクスッと笑う。



『じゃ、頼むね』と奈桜が電話を切ると同時にマネージャーの木下がメンバーを呼びに来る。