パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「次、雑誌の取材だったよね?」



「誰から行く?」



奏と心が話している最中に奈桜の携帯が振るえた。
周りにいたメンバーが気を利かせて散らばって行く。
奈桜は小声で電話に出た。





「何?どうしたの?」



母の優子からだった。
優子が奈桜の仕事先にまで電話をかけて来ることは滅多にない。
桜に何かあったに違いない。
一瞬で悪い予感に包まれて行く。



「ごめんね。仕事中なのに。今、大丈夫?」



申し訳なさそうに言うその声は、やはり嫌な事を想像させる。



「ちょっとだけなら大丈夫」



探るような声で答えた。