パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「で、そのセーターは誰の?・・・って、聞くほどでもないか?」



「愛するひとり娘・・・のだよな?」



泉と碧が微笑み合う。



「収録用の?」



「うん。収録用にいくつか途中のバージョンもいるから」



「どうせ、スタッフが用意してくれるって言うのを断ったんだろ?全部自分でやるって」



奏の質問に心が口を挟む。
奈桜は『ハハ・・』と苦笑いする。



「練習にもなるし。オレ、意外な才能を見つけた気がする。結構、面白い。なんかさ、出来上がって行く過程が楽しい」



はにかんで笑う顔に、それが本心かどうか分からない。
意外と生真面目なところもある奈桜が、また頑張り過ぎているのかもしれない。




「そりゃ、いい趣味が出来て良かったな」



碧が優しそうな目をして笑った。