「どういう事だよ?何で彼女が切られるんだよ」
「ほんと、鈍いオトコだな。宮本沙希は事務所に利用されたんだよ。もうひとつ芽が出ないから、大物アイドルとウワサになって名前を売ろうとした。安っぽいテだよ。これをチャンスに事務所は他のタレントも売り込んでるはずだ。必死になってな。宮本沙希はこれで売れたら儲けモノ。売れなくても彼女の役目は果たたされた。変わりはいくらでもいる。雨宮奈桜と彼女が共演出来たのは事務所にとっちゃあ、ビッグチャンスだったのさ。何が何でもこの縁を利用してやろうと。お前も彼女も単なる『踏み台』だった訳だよ。この世界は勝ったヤツが生き残る」
神川の鋭い目が、まだ甘さを含んだ奈桜の目を突くように見る。
「何でもチャンスにするヤツが這い上がるんだよ」
静かにそう言うと神川はゆっくり立ち上がった。
奈桜はじっと下を向いたまま何も言わない。
「ほんと、鈍いオトコだな。宮本沙希は事務所に利用されたんだよ。もうひとつ芽が出ないから、大物アイドルとウワサになって名前を売ろうとした。安っぽいテだよ。これをチャンスに事務所は他のタレントも売り込んでるはずだ。必死になってな。宮本沙希はこれで売れたら儲けモノ。売れなくても彼女の役目は果たたされた。変わりはいくらでもいる。雨宮奈桜と彼女が共演出来たのは事務所にとっちゃあ、ビッグチャンスだったのさ。何が何でもこの縁を利用してやろうと。お前も彼女も単なる『踏み台』だった訳だよ。この世界は勝ったヤツが生き残る」
神川の鋭い目が、まだ甘さを含んだ奈桜の目を突くように見る。
「何でもチャンスにするヤツが這い上がるんだよ」
静かにそう言うと神川はゆっくり立ち上がった。
奈桜はじっと下を向いたまま何も言わない。

