パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「どこまで自覚のないヤツなんだ。オレから見たら、お前には虫がいっぱいくっついてるんだよ。みんな適当に振り払うのに、お前は来るものを拒まず・・・だ」



「彼女はそんなんじゃない。本当にただの共演者だ。彼女だってきっと迷惑してる。それに・・・、オレは虫は好きだ!」



実際は好きとは言えない。
皆がそうであるように、奈桜も子供の頃は好きだった。
いや、好きだったと思う・・・。
だから、この際、神川に反論する為にそう言った。




「フフ・・・。お前のそういうバカなとこを気に入ってるかもしれない。ウワサの彼女、どうだろな。お前の事務所もかなり躍起になって、火消し、してたからな。これで向こうの形勢が悪くなれば、あっさり切られるかもな」



ニヤリと笑って奈桜の顔色を見る。
こうやって、相手の出方を見るのが楽しくて仕方ない。
人の困った顔が神川を悦ばせる。