パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「座ってもいいかな?」




許可を求めているものの、奈桜が返事をする前に座ってしまった。



「じゃ、オレ、帰ります」



視線を合わさず奈桜が立ち上がる。



「付き合う相手を選ぶんだな。今回の事はお前には何のメリットもない」



「メリット?」



奈桜の動きが止まった。



「ウワサになるなら、自分より上のランクの人間となれ。スキャンダルもチャンスに変えるのがプロだ」



「は?意味分かんねぇし。スキャンダルはスキャンダルだし。自分より上の人間とって、そんなの、ウワサの時点で勝手に出来上がってるもんだろ?オレがどうこう出来るもんじゃない」



「なら、ハメられるな。つまらないヤツらに利用されるな」




「はぁ?」



『お前が言うなよ』というような顔で奈桜は神川を見た。