パパはアイドル♪vol.２ ～奈桜ｸﾝの多忙なｵｼｺﾞﾄ～

さりげなくトラックの裏に回り込み、その先に停めてある軽バンにダンボールを乗せる。
あくまでも手際よく、迅速に。



台車も押し込め、車はゆっくりと動き出す。
次の角を曲がるまでは。





「大丈夫ですか？」



バリバリとガムテープを剥がしながら石田が中の奈桜に声をかける。



「苦しいよ！・・・ふぅ・・・」



箱からやっとでた奈桜は額にうっすらと汗をかいていた。



「これがその新聞です」



石田が差し出した新聞には思っていた以上に大きく熱愛記事が出ていた。



「これ・・・。この写真・・・」



この間の海での撮影の時のもの。
全く隠す必要のない、熱愛とは関係のない写真。



「熱愛の記事でちゃんと撮られているのはまれです。写真は読んでいる人によりインパクトを与えるだけのモノです。問題は記事です。奈桜さん、宮本沙希さんとは付き合っていませんね？」



運転しながら木下がバックミラーの奈桜を強く見る。